2008年12月26日

2008年下半期 読んで面白かった本のベスト10


恒例の面白本のベスト10。
上半期のノミネートは120冊にも及んだが、下半期は2/3の86冊。
ちょっと少ないようだが、建築関係と小説で久しぶりに面白い本に沢山出会うことが出来た。しかし、住宅関係は相変わらずの凶作。
年末年始に読む本を買おうと考えている方の参考になればと、早めに公開します。

【環境・農業・食品・医療】 20冊
・最強ウイルス                 NHKプロジェクト    NHK出版
・食がわかれば世界経済がわかる         榊原英資     文春文庫
・ips細胞ができた!             山中伸彌・畑中正一    集英社
・床屋も間違える驚異の毛髪術           黒木 要     日本書院
・「長寿食」世界体験記               家森幸男     ちくま文庫
・アフリカに緑の革命を!             大高未貴      徳間書店
・日本型バイオエタノール革命           山家公雄      日経新聞
・食の安全はどこまで信用できるか        河岸宏和    アスキー新書
・癒しの森 ひかりあふれる尾久島         田口ランディ  ダイヤモンド
・中国汚染                      相川 泰   ソフトバンク
・偽善エコロジー                  武田邦彦     幻冬舎新書
・花粉症は環境問題である             奥野修司      文春新書
・食べることを、やめました             森美智代     マキノ出版
・奇跡のリンゴ                    石川拓治      幻冬舎
・いのちを生む                    大野明子他     学 研
・水の未来                    フレッド・ピアス    日経BP
・自立農力                     尾崎 零    家の光協会
・はたけのある生活                 伊藤光歩     朝日出版
・里山ビジネス                   玉村豊男    集英社新書
・飢餓国家ニッポン                 柴田明夫   角川SSC新書

【技術・科学・教育】  11冊
・雷に魅せられて                 河崎善一郎     化学同人
・葉っぱのふしぎ                 田中 修 サイエンスアイ新書
・大学院生物語                  伊良林正哉      文芸社
・Suicaが世界を変える               椎橋章夫     東京新聞
・5万年前                  ニコラス・ウェイド イーストプレス
・宇宙から見た地球             ニコラス・チータム    河出書房
・海から見た地球温暖化          JAMSTEC編集委員会     光文社
・動物の赤ちゃんはなぜかわいい           増井光子      集英社
・都市型集中豪雨はなぜ起こる!          三上岳彦    技術評論社
・タンパク質の一生                  永田和宏     岩波新書
・眠れなくなる宇宙のはなし             佐藤勝彦      宝島社

【経営・経済】  20冊
・イオンが仕掛ける流通大再編!          鈴木孝之   日本実業出版
・花失せては面白からず               城山三郎     角川書店
・中国が予測する“北朝鮮崩壊の日”     リン・イエ 富坂聰   文春新書
・夢のサムライ 村橋久成             西村英樹  北海道出版企画
・経営の未来                  ゲィリー・ハメル    日経新聞
・エネルギー危機からの脱出             枝廣淳子   ソフトバンク
・公務員クビ!論                   中野雅至     朝日新書
・ソニーを創った男 井深大              小林峻一      ワック
・官僚国家の崩壊                   中川秀直      講談社
・怒濤のごとく 菊池寛実伝             早乙女貢      原書房
・全国から人が集まる不思議な自動車教習所    小河二郎       PHP
・風に吹かれて豆腐屋ジョニー           伊藤信吾      講談社
・さらば財務省!                  高橋洋一      講談社
・世界は仕事で満ちている              降旗 学      日経BP
・中国の大乱を乗り切る日本の針路       長谷川慶太郎  ベストセラー
・政治と秋刀魚              ジェラルド・カーティス     日経BP
・奈良の小会社が表参道ヒルズに店を出す      中川 淳      日経BP
・この街は、なぜ元気なのか?            桐山秀樹    かんき出版
・小池百合子の華麗な挑戦              大下英治     河出書房
・なぜユニクロだけが売れるのか          川嶋幸太郎     ぱる出版

【小説】  15冊
・カゼヲキル 助走編・激走編・疾走編       増田明美      講談社
・秋瑾 火焔の女                  山崎厚子     河出書房
・小説 防衛省                   大下英治     徳間書房
・『十五少年漂流記』への旅             椎名 誠     新潮選書
・不祥事                        池井戸潤   実業の日本
・くたばれ成果主義                江波戸哲夫     飛鳥新社
・下北サンデーズ                  石田衣良      幻冬舎
・ポジ スパイラル                 服部真澄      光文社
・本当に生きた日                  城山三郎      新潮社
・スタンド・バイ・ミー                小路幸也      集英社
・茨の木                       さだまさし     幻冬舎
・プラチナタウン                    楡 周平      詳伝社
・マリアの選挙                   三輪太郎     徳間書店
・蒼翼の獅子たち                 志茂田景樹     河出書房  

【ノンフェクション・旅行】 11冊
・トスカーナのスケッチ帳              堀 文子       JTB
・マイ・ドリーム             バラク・オバマ自伝   ダイヤモンド
・エブリワン氏の「裁判員日記」           一橋総研       PHP
・K2苦難の道程                  出利葉義次    東海大出版
・海中奇面組                    中村征夫      ベスト社
・隅田川のエジソン                 坂口泰平     青山出版
・体の中の美術館                  布施英利     筑摩書店
・尾久島で暮らす                  菊池淑廣    山と渓谷社
・アフリカ・レポート                松本仁一     岩波新書
・仕事道楽                     鈴木敏夫     岩波新書
・少年院のかたち                  毛利甚平    現代人文社

【建築・住宅】 10冊
・スウェーデンの家具職人になる!         須藤 生     早川書房
・写真な建築                     増田彰久      白揚社
・東京建築50の謎                  鈴木伸子  中公新書ラクレ
・磯崎新の「都庁」                 平松 剛     文芸春秋
・建築史的モンダイ                 藤森照信    ちくま新書
・建築家は住宅で何を考えているのか      東大デザイン研    PHP新書
・伝統技法で茅葺き小屋を建ててみた       原田紀子  農山漁村文化協
・なぜ起こる! 巨大地震のメカニズム    木村政昭監修    技術評論社
・のたうつ者                    挾土秀平    毎日新聞社
・自然な建築                    隈 研吾     岩波新書

さて、この86冊の中から選んだベスト10。
写真があった方がいいとの意見でむりやり揃えたが、写りが悪いのはご容赦あれ。

P1000737.JPG

P1000739.JPG

◆10位  経済・経営の分野から、長年にわたって日本の経済と政治に携わってきたカーティスの「政治と秋刀魚」と、久しぶりに納得出来る長谷川節を聞かせてくれた長谷川慶太郎の「中国の大乱を乗り切る日本の針路」をあげたい。

RIMG6322.JPG

◆9位  今回は農の分野でそれほど目立つものはなかった。その中にあって石川拓治の「奇跡のリンゴ」は読ませる。NHKのテレビで取り上げたあとの取材で、二番煎にすぎないのではないかと心配したが、テレビ報道の数倍も面白かった。

P1000732.JPG

◆8位  科学・技術の分野ではipsなどそれなりに話題作があったが、三上岳彦の「都市型集中豪雨はなぜ起こる!」が読ませた。つい温暖化に絡んで考え勝ちだが、それ以外の要素をあげているのに納得。

RIMG6315.JPG

◆7位  武田邦彦氏の環境全体に関する議論には疑問点が多すぎる。しかし、この著はリサイクルと称して官僚の天下り先を用意しただけの現実を厳しく追及している。また、ダイオキシンが無害だったことを報道しないテレビ局も厳しく諫めている。

P1000779.JPG

◆6位  建物には2種類しかない。1つは神や仏のための建築で、日本建築はほとんどがこれ。もう1つは人間のための建築。西洋館はいずれも人間のための建築で、記録しておきたい1500物件のうち1200物件は撮影したという増田彰久の「写真な建築」。

RIMG6255.JPG

RIMG6318.JPG

◆5位  経済・経営の分野の高橋洋一の「さらば財務省!」と中川秀直の「官僚国家の崩壊」は、同じ視点で、内側から日本の官僚制度にメスをいれたもの。「国よりも省の方が大事」とする者が出世する現行制度の改革の必要性が、嫌というほど分かる。

P1000742.JPG

P1000744.JPG

P1000733.JPG

P1000720.JPG

◆4位  今回は面白い小説が多かった。企業小説、あるいは社会派小説といえるものでは楡周平の「プラチナタウン」、三輪太郎の「マリアの選挙」、服部真澄の「ポジ スパイラル」がそれぞれ読ませた。これとは別に、増田明美の女性ランナーを描いた3部作「カゼヲキル」は感覚というか鮮度がとてもいい。4点まとめて5位。

RIMG6251.JPG

◆3位  平松剛の「磯崎新の『都庁』・戦後日本最大のコンペ」は小説を読むような面白さ。丹下健三の新宿西口ツィンタワーの都庁は、そのメンテナンス費が莫大にかかり、バブル時代の象徴的な建築物だというのが現在では共通の認識。しかし、コンペでは磯崎新の斬新なアイディアは切り捨てられた。磯崎案が入選していたならば…とつくづく考えさせてくれる作品。この種の作品が、これからも出現することを期待したい。

P1000020.JPG

P1000749.JPG

◆2位  
◆1位  フレッド・ピアスの「水の未来」と隈研吾の「自然な建築」の2つのうち、どれを1位にするかで迷った。
「水の未来」は、数年以上の時間をかけて世界各国へ足を運んでいる。そして、それぞれの土地の歴史を詳しく丹念に調べ、時には研究者と一緒になって研究活動に加わっての執筆。そこいらにあるエコ関係の本に見られるような、ネット上とか机上の空理空論とは全く異なる。まさしく足で書いた労作。
一方「自然な建築」は、これまた空理空論ではない。自分で自然素材である木、竹、紙、土、石、水を使って新しい建築にトライした記録集。単なる思いつきではなく、テーマを温め、いろんな職人などの知恵や経験を借りて、今までになかった空間を見事に孵化させている。そして「負ける建築」というポリシーがなんとも嬉しい。安藤忠雄等で建築家のいやらしさを見せつけられてきただけにすがすがしく、嬉しくなってくる。
というわけで、2作品を同時1位とした。つまり、最低この2冊は読むべしということ。
posted by unohideo at 08:45| Comment(0) | TrackBack(4) | 半年間の面白本ベスト10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月30日

2008年上半期 読んで面白かった本のベスト10


恒例の面白本のベスト10。
上半期は環境・農水林・医・食と経済・経営に面白い本に多く出会え、ノミネートは120冊にも及んだ。ちょっと多すぎるのだが、建築・住宅は私の不勉強で大凶作。
相も変わらず独断と偏見の塊。また今回は、新刊書以外がかなり混ざっています。

【環境・農業・食品・医療】 30冊
・タヌキのひとり 森の獣医さんの診療所便り    竹田津実      新潮社
・そうだ、葉っぱを売ろう!              横石知二  ソフトバンククリエテブ
・中国食材調査                     陳 恵運     飛鳥新社
・開口健が喰った!!                   菊谷匡祐    実業の日本
・菌が地球を救う!                   小泉武夫     宝島新書
・スローフードな日本!                 島村菜津      新潮社
・「元気村」はこうして創る            国領二郎ほか     日経新聞
・どろ亀さん、最後のはなし 夢育む富良野の森造り  高橋延清   新思索社
・新薬、ください!                   湯浅次郎      新潮社
・土にいのちの花咲かそ               加藤登紀子 サンマーク出版
・エビと日本人 U                   村井吉敬     岩波新書
・自然塾トンボクラブ                  鎌奥哲男     同時代社
・ムツゴロウ 世界動物紀行             畑 正憲      角川書店
・葉っぱで2億円稼いだおばあちゃんたち    ビーパル研究所     小学館
・見習いドクター 患者に学ぶ             林 大地    集英社新書
・貧乏人は医者にかかるな               永田 宏    集英社新書
・救える「いのち」のために               山本孝史     朝日新聞
・地域の力                         大江正章    岩波新書
・半農半Xの種を播く                 塩見直紀ほか    コモンズ
・脱「偽装食品」紀行                  中山茂大  光文社ペイパー
・桶屋の挑戦                       加藤 薫     中公新書
・健康問答 A                五木寛之・帯津良一     平凡社
・直売所だより                      山下惣一     創森社
・中国危険物取り扱い読本              椎名 玲   ベストセラーズ
・ロハスビジネス                  大和田順子ほか    朝日新書
・冷蔵庫で食品を腐らせない日本人         魚柄仁之助     大和書房
・食の世界遺産 日本編                小泉武夫       講談社
・世界屠畜紀行                      内澤旬子     解放出版
・ジャガイモのきた道                   山本紀夫     岩波新書
・スシ・エコノミー            サーシャ・アイゼンバーク    日経新聞

【技術・科学・教育】  7冊
・やんちゃな独創 糸川英夫伝             的川泰宣     日刊工業
・手にとるように地球温暖化がわかる本        村沢義久    かんき出版
・アメリカの下層教育現場               林 壮一    光文社新書
・レイチェル・カーソン          アーリン・クォラティエロ     鳥影社
・宇宙誕生の謎 100分の1秒の後          延與秀人    実業之日本
・勝てる子供の脳                  吉田たかよし     角川新書
・迷惑な進化                 シャロン・モアレム     NHK出版
・YS-11, 走る                     白井健次     徳間書店
・町人学者 浅田常三郎評伝           増田美香子他     毎日新聞
・文化系のためのDNA入門               武村政春    ちくま新書
・知床・北方四島 流氷が育む自然遺産  大泰司紀之・本間浩昭  岩波新書

【経営・経済】  30冊
・十五億人を味方にする                 稲葉利彦      光文社
・インドの衝撃                     NHK取材班      文春
・人材空洞化を超える                日経ビジネス     日経新聞
・お届けにあがりました!               三田村蕗子     ポプラ社
・東京からはじめよう                  猪瀬直樹   ダイヤモンド
・イギリス経済再生の真実                日経新聞     日経新聞
・「超」経済脳で考える                 野口悠紀雄     東洋経済
・株式会社 ロシヤ                    栢 俊彦     日経出版
・コンビニ 不都合な真実              ベルダ編集部   ベストブック
・君命も受けざる所あり                 渡邉恒雄     日経新聞
・世界のインテリジェンス                小谷 賢       PHP
・松下電器の経営改革               伊丹敬之ほか      有斐閣
・正直者はバカをみない                 石積忠夫   ダイヤモンド
・大学2年で社長になるということ            星野 希   ダイヤモンド
・銀座の画廊経営                     野呂洋子 ファストプレス
・崩壊する中国、逃げ遅れる日本            宮崎正弘   ベストセラー
・3年で辞めた若者はどこへ行ったか          城 繁幸    ちくま新書
・花も嵐も繁盛記                    和田絵衣子     水曜社
・女性の本懐                      小池百合子    文春新書
・小池式コンセプト・ノート               小池百合子   ビジネス社
・巨像に勝ったハーレーダビットソンジャパンの信念  奥井俊央      丸善
・日本の外交と経済 早大・大隈塾講義録 上下  田原総一朗   ダイヤモンド
・アメリカがやばい!                   直江津歩     扶桑社
・チーズの値段から未来が見える            上野泰也      詳伝社
・すごい製造業                     中沢孝夫     朝日新書
・汗出せ、智慧出せ、もっと働け!         丹羽宇一郎       文春
・こんな僕でも社長になれた             家入一真   ワニブックス
・彼女があのテレビを買ったワケ           木田理恵   エクスナレジ
・ハイ・コンセプト        ダニエル・ピンク・大前研一訳     三笠書房
・フリーぺーパーの衝撃               稲垣太郎    集英社新書

【小説】  19冊
・貸し込み                       黒木 亮      角川
・ガイシの女                      汐見 薫      講談社
・白い砂丘                       長野慶太      小学館
・今日は再び来らず                  城山三郎      講談社
・タスクホース 上下                 門田泰明      光文社
・クレージーボーイズ                 楡 周平       角川
・商人 竜馬                      津本 陽      日経
・お母さんのワカメスープ             コ・ヘジョン      新潮社
・BOSS                         堂場瞬一      PHP
・ブックストア・ウォーズ                碧野 圭      新潮社
・内部告発者                    滝沢隆一郎   ダイヤモンド
・アイランド                       佐伯紅緒     徳間書店
・わすれないよ波の音                 下鳥潤子      講談社
・円を創った男 小説大隈重信            渡邉房男       文春
・わたしの眼は十年先が見える            城山三郎     新潮文庫
・あなたの余命教えます                幸田真音      講談社
・テレビキャスター                  江波戸哲夫      潮出版
・幸福の不等式                     高任和夫     NHK出版
・ワンダー・ドック                    竹内 真     新潮社

【ノンフェクション・旅行】 24冊
・他諺の空似                      米原万里      光文社
・モンスター・マザー                  石川結貴      光文社
・塀の中から見た人生           安部譲二・山本譲司   カナリア書房
・Hotするイタリア                  大矢アキオ      二玄社
・白夜の大岩壁に挑む               NHK取材班       NHK
・聴こえなくても私は負けない           甲地由美枝       角川
・「愛の法則」                      米原万里    集英社新書
・北京人と上海人                    暢 東平      NHK
・選挙の裏側ってこんなに面白いんだ!     三浦博史ほか   ビジネス社
・午後4時、東京で会いますか?  シャンサ&リシャール・コラス   ポプラ社
・黙っていられない            池田香代子・鎌田実  マガジンハウス
・煙る鯨影                       駒村吉重      小学館
・トスカーナの丘                フェレンク・マテ     徳間書店
・続 獄窓記                      山本譲司     ポプラ社
・「箱根駅伝」不可能に挑んだ男たち       原島由美子  ヴレッジ・ブック
・ネットオークションで騙す          ケネス・ウォルトン      光文社
・力強い地方づくりのための、あえて力弱い戦略論 桶渡啓祐     ベネッセ
・真昼の星                        椎名 誠     小学館
・沖縄独立を夢見た伝説の女傑 照屋敏子      高木 凛      小学館
・岡田監督と考えたスポーツと感性           志岐幸子       日経
・中国人と日本人                   大原壮比古      新風舎
・見ることの塩                     四方田犬彦     作品社     
・人生の旋律                       神田昌典     講談社

【住宅・建築】 6冊
・ネットのコンペで家建てた!             藤田健児    小学館文庫
・ぼくの家は「世界遺産」                小松義夫      白水社
・南大門の墨壺                    岩井三四二      講談社
・地震は貧困に襲いかかる            いのうえせつこ      花伝社
・丹精で繁盛                       瀬戸山玄    ちくま新書
・ヨーロッパの都市はなぜ美しいのか         佐野敬彦      平凡社
      
さて、この120冊の中から選んだベスト10。

惜しくもベストテンに入り損ねた5点。
・食の「世界屠畜紀行」。こんな本が書かれていたことに感動。
・農の「ジャガイモのきた道」。穀物の栽培以前にジャガイモが定住をもたらした新説。
・科学の「知床・北方四島」。写真が綺麗で、北方問題に対する着想がとても新鮮。
・経済では「コンビニ 不都合な真実」が食品を半値にせず棄却する理由が分かる。
・小説の「ブックストア・ウォーズ」。これは身近な人間が主人公の新しい企業小説。

◆10位  技術・科学の「町人学者 浅田常三郎評伝」が面白かった。いまをときめく産学共同プロジェクトのハシリ。その人柄に好感がもてる。

◆9位  3年前に出版されたノンフェクションの「人生の旋律」。近藤藤太という骨太の伝記。小細工を弄した神田昌典氏ではなく、本格的作家に小説としてまとめて欲しかった。

◆8位  小泉武夫氏の「菌が地球を救う」とかなり前に出版された「食の世界遺産 日本編」をまとめて8位とした。いつもの語り口で新鮮味が欠けるが、大切な視点。

◆7位  経済面で「3年で辞めた若者はどこへ行ったか」と「人材空洞化を超える」は、雇用問題に新しい視点を当ててくれ、大いに参考になる。

◆6位  伊藤忠会長の丹羽氏の講演を集めた「汗出せ、智慧出せ、もっと働け」は、電車通勤している温かい血の通ったトップの先見性に、思わず拍手をしたくなる。

◆5位  ノンフェクションの「続 獄窓記」は、元民主党の国会議員が、獄中に数多くいる身障者の実態を知り、政治家を投げ打って変身するストーリーが感動もの。

◆4位  かなり前に出版されていた「ムツゴロウ 世界動物紀行」を今まで見落としていたのは恥ずかしいかぎり。開口健のオーパの饒舌や、星野道夫のアラスカの清旋な詩のような語りに匹敵し、時にはそれを上回る美しい文章に魅了させられる。

◆3位  農の「そうだ葉っぱを売ろう!」は、今までになかった独創的な起業家物語。
安月給のほとんどを費やして、自腹で高級料亭を食べて回り、ツマとしての葉っぱの利用のされ方をリサーチして回った。そして、おばちゃん達をパソコンで自立させていった。本田宗一郎氏や井深太氏に匹敵する起業家精神が、大きな勇気を与えてくれる。

◆2位  科学の「迷惑な進化」は、下手な推理小説よりも何倍かのワクワクする面白さがある。人間のDNAを構成する30億にも及ぶ塩基対の配列をマップ化した10年間に亘るヒトゲノム・プロジェクト。「文化系のためのDNA入門」を読んでもサッパリ意味が理解出来なかったのが、この本では直截的に本質に迫ることが出来る。とくに人類の二本足歩行に関しては、はっとさせられる指摘がうれしい。

◆1位  トップは「スシ・エコノミー」。これを「食」に分類すべきか「経済」にすべきかで迷った。
私共日本人は、江戸時代に華屋与兵衛がファストフードとして握りスシを始めたということは知っている。そして、最近は江戸前が少なくなり、養殖マグロが増えているということも良く知っている。寿司に関しては、今更外人に言われなくてもと考えていた。
ところが、この著者は約2年がかりで5大陸、14ヶ国を取材し、スシを食べまくっている。そして、日本のあらゆるスシの歴史から築地の役割、セリの実態、商社の役割、漁業者や密漁の実態、世界各地の養殖業、アメリカや中国を含めたマーケットの動向、外国人の職人養成システムに至るまで、スシに関する経済的な全側面を見事に描ききっている。日本人の知らないことまで教えてくれている。「参りました」と言わせる好著。

posted by unohideo at 08:00| Comment(0) | TrackBack(4) | 半年間の面白本ベスト10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月27日

2007年下半期 読んで面白かった本のベスト10


恒例の面白本のベスト10。
下半期は環境・農水林・医・食を中心に久しぶりに面白い本に多く出会え、ノミネートは91冊に及んだ。上半期をわずかに凌駕して最多に。
もちろん独断と偏見の塊に変わりがありません。
しかし、正月休み用の本を買われる折の参考に、少しでも役立つことが出来たらと、予定より3日早く掲載することにしました。

【環境・農業・食品・医療】 27冊
・蜂になった男                   富永朝和他  信濃毎日新聞
・食の堕落を救え!                 小泉武夫    廣済堂文庫
・食から立て直す旅                 金子 勝     岩波書店
・農のある人生                   瀧井宏臣     中公新書
・セミプロ農業が日本を救う             大澤信一     東洋経済
・アジア裏メシ街道               黒田勝弘・節   阪急コミュニケーシヨン
・セブンイレブンおでん部会             吉岡秀子     朝日新書
・愛は自転車に乗って 歯科医とスルメと情熱と    五島朋幸     一橋出版
・健康問答                  五木寛之・帯津良一    平凡社
・異常気象は家庭から始まる            ディヴ・レイ   日本教文社
・田園有情  ある農村の四季         あん・まくどなるど  清水弘文堂
・これから食えなくなる魚              小松正之    幻冬舎新書 
・へこたれない                ワンガリ・マータイ    小学館
・泣いて笑ってスリランカ  体当たり紅茶修行    末広美津代  ダイヤモンド
・温暖化地獄  脱出のシナリオ           山本良一   ダイヤモンド
・地球のすばらしき樹林たち           トマス・パケナム   早川書房
・アユ100万匹がかえってきた 多摩川に起きている奇跡 田辺陽一     小学館
・ソバを知り、ソバを生かす             氏原暉男     柴田書店
・ナース裏物語                  中野有紀子    バジリコ社
・就職先は森の中                  川嶋 直      小学館
・医者が介護の邪魔をする              矢嶋 嶺      講談社
・コンビニではなぜ8月におでんを売り始めるのか   石川勝敏     扶桑新書
・緑の時代をつくる                 天野礼子他     旬報社
・まじめをやめれば病気にならない          安保 徹     PHP新書
・炭はいのちも救う                 宮下正次   リベルタ出版
・病気にならない食べ方食べ物            石原結實      海竜社
・幸せさがし                    鎌田 實     朝日新聞 
           
【技術・科学・教育】  7冊
・タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち  ジェニー・ランドルス  日経BP
・自分の身体で実験したい           メル・ボーリング他 紀伊国屋書店
・闘う物理学者!                  竹内 薫   日本実業出版
・学校は誰のものか                 戸田忠雄     現代新書
・赤とんぼの謎                   新井 裕    どうぶつ社
・それでもピサの斜塔は倒れない          応用地質梶@     幻冬舎
・線路にバスを走らせろ  北の車両屋奮闘記     畑川剛毅     朝日新書

【経営・経済】  22冊
・自販機の時代                   鈴木 隆     日経新聞
・中国 日本包囲網                 黄 文雄      海竜社
・魔法のラーメン発明王               安藤百福     日経新聞
・「NO」は言わない!                林田正光   講談社α新書
・流通革命の真実                  渥美俊一   ダイヤモンド
・メトロ誕生  早川徳治と五島慶太の攻防      中村建治     交通新聞
・宿澤広朗  運を支配した男            加藤 仁      講談社
・ぐるなびNo1サイトへの道             滝 久雄     日経新聞
・もう、国にはたよらない              渡邉美樹     日経BP
・なぜ、予想は裏切られたのか            夏目幸明       PHP
・後藤新平  日本の羅針盤になった男       山岡淳一郎      草思社
・携帯から「金」をつくる!  横浜金属の挑戦    相原正道   ダイヤモンド
・中国という大難                  富坂 聰      新潮社
・ワーク・フェア                  山田 久     東洋経済
・団塊力の新時代                  読売新聞     中公新社
・カンブリア宮殿                村上龍×経済人    日経新聞
・石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」        岩間 敏     朝日新書
・エキュート(ecute)物語              鎌田由美子他   かんき出版
・日本人が知らない「儲かる国」ニッポン    テイム・クラーク他   日経新聞
・あなたの会社の評判を守る法           久新大四郎     現代新書
・「課題先進国」日本               小宮山宏      中央公論
・独走する日本                  日下公人        PHP


【小説】  10冊
・テムズのあぶく                 武谷牧子      日経新聞
・ザ エクセレントカンパニー           高杉 良      毎日新聞
・小説吉田拓郎  いつも見ていた広島       田家秀樹       小学館
・ラストプレゼント                秦建日子       幻冬舎
・絆                       江上 剛       扶桑社
・Hello, CEO                   幸田真音       光文社
・朽ちた樹々の枝の下で              真保裕一      角川書店
・第三の買収                   牛島 信       幻冬社
・漁師志願!                   山下 篤       新潮社
・エスピオナージ                 麻生 幾       幻冬社

【ノンフェクション・旅行】  17冊
・郵便局を訪ねて1万局              佐滝剛弘     光文社新書
・「洋酒天国」とその時代             小玉 武      筑摩書房
・日本全国都市の通信簿              岩中祥史       草思社
・イタリア喜色満面                辰巳琢郎       文芸社
・北京大学てなもんや留学記            谷崎 光       文 春
・生活大国イギリスの知らざれる習慣        井形慶子      大和書房
・ブツダの旅                   丸山 勇      岩波新書
・勘介物語                   中島誠之助       淡交社
・もっと世界を、あたしは見たい          白川由紀      ポプラ社
・アフリカ旅日記  ゴンべの森へ         星野道夫    ファクトリー
・ルイス=クラーク探検              明石紀雄     世界思想社      
・バール、コーヒー、イタリア人          島村茶津     光文社新書
・大いなるモンゴル                山元泰生      明石書店
・北海道に暮らす 道東遍            荒木美紀子      長崎出版
・小沢昭一がめぐる寄席の世界           小沢昭一      朝日新聞
・国会議員村長  私、山古志からきた長島です   石川拓次       小学館
・過疎地で快適に暮らす             鷲田小彌太      MGブック


【住宅・建築】 8冊
・建築の遺伝子                  鈴木博之       王国社
・なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか  中崎隆司       彰国社
・21世紀のハウジング  居住政策の構図      住田昌二     ドメス出版
・IKEA 超巨大小売業、成功の秘訣  リュディガー・ユングブルート   日経新聞
・ル・コルビュジェを見る            越後島研一      中公新書
・震度6強が原発を襲った            朝日取材班      朝日出版
・環境負荷ゼロ建築を目指して          竹中工務店      大成出版
・ひとり誰にも看取られず           佐々木とく子    鹿島コミュニケーション

      
さて、この91冊の中から選んだベスト10。

◆10位 今回も住宅・建築関係で面白い発見がなかった。
その中で「震度6強が原発を襲った」が、唯一読書欲をそそった。

◆9位 毎回のことながら小説は偏食癖。だからほとんど参考にならない。しかし、その中で「漁師志願!」は孤島の養殖場で育つ都会の若者の活写が大変に良かった。それと幸田真音が普通のサラリーマンを主人公にした「Hello, CEO」もなかなか。

◆8位 医療関係では飛び抜けた本はなかったが粒が揃っていた。中でも「愛は自転車に乗って 歯科医とスルメと情熱と」には感動させられた。
そのほか「幸いさがし」「まじめをやめれば病気にならない」「医者が介護の邪魔をする」「病気にならない食べ方食べ物」「ナース裏物語」の6冊をまとめて8位とした。

◆7位 科学、技術、教育関係の中では、「線路にバスを走らせろ」が断然面白い。
JR北海道がマイクロバスを改良して狭軌の線路を走らせることに成功した企業家物語と言っていい。小さい技術開発だが、新幹線の開発に匹敵するくらいの可能性を秘めている。

◆6位 「国会議員村長  私、山古志からきた長島です」は、意表を突く感動。あの山古志村のただの村長。少しテレビで名前が売れたので、小泉ブームにあやかって国会議員に踊り出来た小泉チェルドリンの1人ぐらいにしか考えていなかった。危機管理能力と意欲はナマ半端ではない。脱帽。

◆5位 「北京大学てなもんや留学記」と「泣いて笑ってスリランカ」の2冊を同時に推奨したい。両方とも女性。日本でのサラリーウーマンの生活を捨てて単独で海外に飛び出していって勉強し、修行をする。今までの気まぐれの旅行記ではなく、きちんとした目的と計画を持った積極的な行動。日本の女性が、このような紀行記を出版するようになったことを喜びたい。

◆4位 ビジネス関係では、今回は中小企業家の意欲的な作品にぶつからなかった。しかし、大変面白い本5点が揃った。「流通革命の真実」は渥美氏でなければ書けない秘話と理論が整然としている。「もう、国には頼らない」は企業家の腹の底からのメッセージ。「エキュート(ecute)物語」は、女性よる新産業の起業の奮戦記。「NOは言わない」はサービス産業の核心を突いている。「セブンイレブンおでん部会」は身近な商品開発が参考になる。産業人にとっては、いずれも必読の書。

◆3位 今回も農水林関係で面白い本7冊に遭遇出来た。中には古い本が混ざっているが、いずれも民主党や自民党の税金バラ撒き農政の「非」を強く諫めてくれている。
「田園有情  ある農村の四季」はカナダの女性の真摯な行動力に打たれる。「緑の時代をつくる」はこれまた木質バイオマスに賭ける女性の意欲に感動。「炭はいのちをも救う」「アユ100万匹がかえってきた」「就職先は森の中」「セミプロ農業が日本を救う」「農のある人生」も、それぞれ読ませてくれる。日本の環境と産業は語るには、農水林の抜本的な改革抜きでは語れない。その萌芽が力強く育ってきている。 

◆2位 「課題先進国 日本」と「温暖化地獄」の2冊をあげたい。
前者は東大総長の著作。化学の出身で、しっかりとした理論的な根拠に基づいての多面的な提案には説得力がある。氏が特に強調しているのは、日本は資源がなく多すぎる人口を抱えているネガティブな条件からスタートし、見事に難問を克服して世界第2位の地歩を築いた。日本人は課題を消化し克服する力を世界で一番持っている。CO2削減にはこのようにすれば克服出来る。少子高齢化は畏れるに足らず、教育改革はこうあるべきだと方向を示している。「温暖化地獄」は、CO2削減は将来の問題ではなく、この4〜5年が勝負の緊急問題であると、警鐘乱打をしてくれている。

◆1位 トップは、文句なくワンガリ・マータイさんの「へこたれない」。
30年間で3000万本の木を植え、ノーベル平和賞を受けたビックママさん。その壮絶な闘いの記録に胸が打たれる。
「独善的 週間書評」の106号、11月2日(金)で取り上げているので参照していただきたい。環境問題は、きれい事や科学や学問の世界の問題ではなく、庶民の生活と命にかかわる政治問題そのものだということが良くわかる。
「闘わないかぎり、絶対に勝ち取れないものだ」ということを・・・。
住宅業界でも、もっと敵の存在を明確にしてゆかなければならない。そのことをマータイさんは教えてくれている。
レイチェル・カーソンの「沈黙の春」に匹敵する歴史的価値のある著作だと私は思う。
posted by unohideo at 06:05| Comment(0) | TrackBack(4) | 半年間の面白本ベスト10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月30日

2007年上半期 読んで面白かった本のベスト10

恒例の面白本のベスト10。
上半期は経営・経済を中心に久しぶりに面白い本が多く、合格本は90冊にもおよんだ。
しかしその中で、日経とPHPの不振が目立った。

【環境・農業・食品・医療】 19冊
・快食対談 あれも食ったこれも食った         小泉 武夫     小学館
・天皇の牧場を守れ 鳥インフルエンザの攻防     横田 哲治   日経BP社
・病気は自分で見つけ、自分で治す!          石原 結實 ベストセラーズ
・不都合な真実             アル・ゴア(枝廣淳子訳) ランダムハウス講談社
・ユニバーサルを創る ソーシアル・インクルージョンへ       井上滋樹     岩波書店
・農業は有望なビジネスである!            涌井  徹  東洋経済新報
・リーダーは95歳 日野原重明と聖路加病院の人々  大久保隆弘  ダイヤモンド
・日本の食卓からマグロが消える日           星野 真澄    NHK出版
・怖くて飲めない! 薬を売るため病気はつくられる レイ・モイニハン、アラン・カッセル ヴィレッジブック
・小児科を救え!            千葉智子・堀切和雄  ユビキタススタジオ
・地球温暖化の現場から    エリザベス・コルパート(仙名紀訳)オープンナレッジ
・自主独立農民という仕事 佐藤忠吉と木次乳業をめぐる人々 森 まゆみ バジリコ 
・ホスピタル・クラウン 病院に笑いを届ける道化師  大棟 耕介   サンクチュアリ出版 
・物理学者、ゴミと闘う                 広瀬 立成    現代新書
・地球を殺そうとしている私たち  ティム・フラナリー(椿正晴訳) ヴィレッジ ブック
・男(オス)女(メス)の怪            養老孟司・阿川佐和子    大和書房
・学校に森をつくろう!          ホスティック教育協会  せせらぎ出版
・日本の森と木の職人                 西川 栄明  ダイヤモンド
・森林からのニッポン再生               田中 惇夫   平凡社新書
           
【技術・科学・教育】  6冊
・君を守りたい                    中嶋 博行   朝日新聞社
・北極圏のサイエンス                赤祖父俊一     誠文堂
・インカに眠る氷の少女       ヨハン・ラインハルト(畔上司訳)  二見書房
・マンモスを科学する                鈴木 直紀  角川学芸出版
・雲の上で暮らす アンデスヒマラヤ高地民族の世界  山本 紀天 ナカニシヤ出版
・たった一人の卒業式                比企寿美子    中公新社

【経営・経済】  31冊
・よく考えてみると日本の未来はこうなります    日下 公人     WAC
・恋に導かれた観光再生               中村  元    長崎出版
・松井証券のIT革命                 大下 英治    徳間書店
・渋谷で働く社長の告白               藤田  晋 アメーバブック
・ゾウを倒すアリ                   廣川 州伸     講談社
・プロフェッショナル仕事の流儀(8) 半導体ベンチャー 茂木健一郎   NHK出版
・ランチの行列に並んではいけない         中島 孝志    青春出版
・小泉官邸秘録                    飯島  勳   日経新聞社
・成功する地方発ビジネスの進め方          島田晴雄他   かんき出版
・新中国ビジネス作法                 金崎 敏泰   NTT出版
・地域再生の条件                   本間 義人    岩波新書
・ヘンリー・フォード自伝 藁のハンドル       竹村健一訳     詳伝社
・スズキのインド戦略          R・C・バルザバ(島田卓訳)    中経出版
・お雇い外国人                     梅渓  昇  講談学術文庫
・若者は何故3年で辞めるのか?           城  繁幸   光文社新書
・下流同盟 格差社会とファスト風土         三浦 展他    朝日新書
・ロウアーミドルの衝撃                大前 研一     講談社
・徴税権力 国税庁の研究              落合 博美    文芸春秋
・外注される戦争 民間軍事会社の正体       菅原  出     草思社
・シャープの謎 勝ち続ける日本力!         長田 貴仁  プレジデント
・社長が語る勝利の方程式           NHK経済羅針盤   NHK出版
・ものつくり経営学                  藤本 隆宏   光文社新書
・数年後に起きていること              日下 公人    PHP研
・ロボットおやじの「ものづくり魂」          赤澤 洋平   出版文化社
・世界を制するオンリーワン中小企業        木村 元紀     洋泉社
・夕張問題                      鷲田小弥田   詳伝社新書
・永田町対霞ヶ関                  桝添 要一     講談社
・伝説のプラモ屋                  田宮 俊作    文春文庫
・日本を変えんといかん              東国原英夫     集英社
・サラ金崩壊                     井手 壮平    早川書房
・世界の達人                   産経新聞経済部   産経新聞社

【小説】  11冊
・少年時代                      池永  陽     双葉社
・膠着                         今野  敏    中公新社
・異端の大義(上)(下)                楡  周平   毎日新聞社
・ワシントンハイツの旋風              山本 一力    講談文庫
・小説 経済産業省                 大下 英治    徳間書店
・まわれ映写機                    椎名  誠   幻冬舎文庫
・東京自然農園物語                 山田  健     草思社
・ラストワンマイル                  楡  周平     新潮社
・小説 国民収奪税                 千代田哲雄     詳伝社
・薩摩スチューデント、西へ             林   望     光文社

【ノンフェクション・旅行】  15冊
・やっかいな隣人 韓国の正体         井沢元彦・呉善花     詳伝社
・妻の海外赴任奮闘記                石森 雄子     文芸社
・南仏 オートプロヴァンスの光と風         山本  省     彩流社
・マイナス50℃の世界                 米原 万里    清流出版
・アマゾン、森の精霊からの声            南  研子    ほんの木
・イラク自衛隊の真実 人道復興支援2年半の軌道           産経新聞社
・ニッポン人には、日本が足りない         藤 ジニー   日本文芸社
・養老院より大学院                 内館 牧子     講談社
・手紙の行方                     山口 智子 ロッキングオン
・先生お元気ですか 中国からの手紙       おおやちえ     文芸社
・ラトヴィアの蒼い風                黒沢  歩     新評論
・達人に訊け!                   ビートたけし     新潮社
・波瀾万丈! インドの大地に仏教復活   サンガラトナ・マナケ     春秋社
・オデッセイ号航海記       ロジャー・ペイン(宮本貞雄訳)  角川学芸出版
・ぼくの血となり肉となった500冊とならなかった100冊 立花 隆    文芸春秋

【住宅・建築】 8冊
・建築紛争 行政・司法の崩壊現場     五十嵐敬喜・小川明雄    岩波新書
・旅。建築の歩き方                 槻橋  修     彰国社
・耐震偽装                     藤田 東吾   imairu
・トラヴァース                    南  泰裕    鹿島出版
・オールアース時代がやってくる          土田 直樹    ホノカ社
・エコハウス私論                   小林  光   ソトコト社
・建築家・園芸家のための都市緑化読本       近藤 三雄     NTS
・排出する都市 パリ  アルフレッド・フランクラン(高橋清徳訳)     悠書館      

さて、この90冊の中から選んだベスト10。

◆10位 今回は、医療関係が不作。しかし「病気は自分で見つけ、自分で治す」「怖くて飲めない! 薬を売るために病気はつくられる」「ホスピタル・クラウン」をまとめて同点で10位としたい。

◆10位 地方都市の問題を取り上げた「恋に導かれた観光再生」「夕張問題」「成功する地方発ビジネス」「日本を変えんといかん」の4冊をまとめて挙げる。

◆9位 「物理学者、ゴミと闘う」がおもしろかった。地球の生理として「熱」と「物」としてのゴミを物理学的にきちんと捉えているのが大変に参考になった。

◆8位 中小企業のものづくりや技術者の姿をとらえた「世界を制するオンリーワン中小企業」「ロボットおやじのものづくり魂」「伝説のプラモ屋」「世界の達人」の4つをまとめて8位。

◆7位 今回は建築・住宅関係でこれはというものがなかった。その中で電磁波を真正面から取り上げた「オールアース時代がやってくる」と緑化の「建築家のための都市緑化読本」と「エコハウス私論」の3つで、やっとこさ7位という大おまけ。

◆6位 日下公人の「数年後おきていること」と「よく考えてみると日本の将来はこうなります」の2点を併せて6位。本来だともっと上位に上げたいのだが…。

◆5位 「森林からのニッポン再生」は日本の林業を消費者、ビルダーの視点から捉えた力作。ドイツの林業との比較が面白い。ただ、日本の林業の根本は農地解放に伴う零細性にある。20ha以下が90%を占めている現実にメスが入っていないのが残念。

◆4位 小説は相変わらず寡読。しかし、その中で楡周平の「異端の大義」(上)(下)と「ラストワンマイル」にはぐいぐいと引き込まれた。銀行マン出身作家の面白くもおかしくもない頭取や金融マン物語などが幅をきかせている中にあって、ものづくりやインフラなど、産業人の骨太な生き方を問うているのが嬉しい。

◆3位 今回も農業を舞台に面白い作品がそろった。米作を中心に据えた「農業は有望なビジネスである!」。独特の低温殺菌乳牛と有機農業で村おこしを成功させた「自主独立農民という仕事」。それと小説ではあるが、大都市における素人による有機野菜つくり珍騒動を取り上げた「東京自然農園物語」は、いずれも値打ちがある。 

◆2位 今回は、なんといっても「不都合な真実」を挙げざるを得ない。環境問題を学問の世界に閉じこめておくのではなく、政治と社会の場に引き出し、世界中の世論を喚起したゴア氏の功績は高く評価しなければならない。プロパガンダとしての価値を認めねばならない。そして、これと一緒に「アマゾン、森の精霊からの声」と「地球温暖化の現場から」の2冊を併読されることをお奨めしたい。

◆1位 「たった一人の卒業式」
なぜだか分からない。新聞や雑誌に数多くの書評欄がある。しかし、私の見た範囲ではこの本を大きく取り上げ、高く評価しているのを見かけなかった。
こんな感動的な本がベストセラーにならないというのでは、日本の出版界のどこかが狂っている。
この本に関しては、細部の内容紹介はしたくない。詰まっている数十件の物語が全て感動もの。価格が1900円+税とやや高いのが難点。だが是非買って読んで頂きたい。
もし感動しなかったら「私が本代を払ってあげます」と言いたいくらい。
鬼のような私が、何十年ぶりかで涙がとまらなかったという折り紙付きの一点。
posted by unohideo at 05:03| Comment(4) | TrackBack(8) | 半年間の面白本ベスト10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。