2007年04月11日

東京地域の理想的省エネ外壁(2)  206合わせ柱はスタッドが35%増

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さて、外壁の木部面積に加算されるものは…
それは@上下枠および頭つなぎ A窓まぐさおよび窓台 Bスタッドおよびクリップル、である。

@上下枠および頭つなぎは、プランや開口部の大小に関係なく0.038m×1、2階の外壁長さの三倍が面積として自動的に加算される。
もちろん掃き出し窓の下部は切り離されるが、無視して良い数値。

A窓まぐさおよび窓台は、プランによって大きく異なる。
まず、開口部面積が外壁全体の何パーセントを占めているかである。
そして、同じ20%であっても、その開口部が縦長であるか横長であるかによっても異なる。
例えば2612の一枚の引き違いサッシではなく、0814の縦長のサッシが柱を介して三枚連続的に入れた方が開口面積は大きく、まぐさは半分くらいの小さなものでよい。
直下型地震の被害を最小限にするため、原則として引き違いサッシの採用を見合わせているビルダーがいる。これはまぐさの木部面積縮小という面からも歓迎される。

Bそして問題はスタッド。
これは上の図の(1)がもっともポピュラーなものだった。
出隅はL型の2本のスタッドで構成し、内壁がT字型にくる部分は3本のスタッドでコ型に組んだ。このため、外壁を建て終えると内壁の下地が完成しているという合理性。
もっとも日本では、隅部は2本のL型ではなく、2本のスタッドの間に短い端材を飼い木として挟むブロッキングによる3本柱がよく使われた。
いずれにしろ、25mm以上のかかりがあれば石膏ボード下地としては合格。

当初は、外壁の中に入れられる断熱材は40mmから50mmだった。
この時は、コ型部分に断熱材を充填するという発想がなかった。
しかし、R-2000住宅が出現してきたことで、壁の断熱厚は90mmの充填断熱が常識になり、同時にL字部とコ型部の熱欠損がにわかにクローズアップされてきた。

そこで、いち早く(2)のスタッド割りを考案し、関東地域で採用した。
隅部が今までの2本から3本へ。T字部は3本から4本に増え、外壁のスタッドは16%程度増えるが、この3本柱、4本柱への切り替えはコスト的にもそれほど負担にはならなかった。
そして、このスタッド割りによるSEAという商品を開発した。
90mmの高い性能のグラスウールを充填し、高性能のインサルバリアを施工して気密性能はR-2000住宅に準じて0.9㎠/uとし、第3種のセントラル換気とペアガラスのPVCサッシを標準仕様とした画期的な商品。
このため、年間200戸の売上げを記録するヒット商品となった。
いまから20年近くも昔に、次世代省エネ基準をクリアーする商品を売り出したのだから、大きな反響を呼んだのは当然。
そして、この3本柱、4本柱方式は、やがてプレカット工場の標準仕様として定着してゆく。

そして、R-2000住宅の性能値を担保するには、204では性能値の高いウレタンの現場発泡を採用するしかなかった。このウレタン発泡のフロンが問題となり、次第に206に移行せざるを得なかった。
「R-2000住宅の設計施工マニュアル」には、206のスタッド割として、(5)の図が掲載されている。
代替フロンや水発泡などの現場発泡を標準仕様としていた私の会社では、この(5)のスタッド割りを採用してきた。現場発泡だからいくらでも裏まで完全に施工出来る。問題は何一つなかった。

ところが、繊維系断熱材を充填させる場合には、このスタッド割りが問題になった。
図のように100×140、あるいは100×90の硬質断熱材をパネル工場はあらかじめ用意しておいて、数ヶ所をタッカーで枠に止め、その上から合板を張って出荷してくれれば何一つ問題がない。
ところが、パネル工場が採用したのは204の3本柱、4本柱方式をそのまま踏襲した(4)のスタッド割り。
そして、208の壁でもこの方式を踏襲。

図で分かるとおり出隅部は今までの3本が5本になってしまう。4本では石膏ボードのかかりが12mmしかなくダメ。それとパネル化するためにパネルの継ぎ手部に1本余分なスタッドが必要になってくる。
このため、(5)のスタッド割りに比べて(4)のパネル工場方式では206のスタッドの本数がなんと35%以上も増加してしまう。

パネル工場にとっては問題ないだろうが、消費者やビルダーにとっては価格のことも問題だが、これだけ木部が増えることによって外壁のK値(熱貫流率)が0.02Wも増大してしまう。それだけ住宅の熱性能が悪くなる。

さらに言うならば、パネル工場は204の3本柱、4本柱方式を、外壁だけでなく内壁にも採用している。荷重を一つも受けない間仕切り壁にも4本柱があるという資材の無駄遣い。このため、内部の204のスタッドが20%も増えている。

日本の、全てのパネル工場がこのようだと言うのではない。たまたま私が目撃したパネル工場のシステムを、40坪のプロトプランで検証してみたらこういう結果になったというだけ。別のプランで検証すれば、もう少し違った答が出てくると思う。

いずれにしろ、今の資材浪費型パネルは、消費者とビルダーの利益を等閑視したものだと言えると思う。
posted by unohideo at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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