2007年03月25日

真空断熱材の価格は高かった!  お詫びと試算

セミナーで、日清紡績は「数年前から真空断熱材を売っています」
と言いました。そこで、
「今売っている真空断熱材そのものの価格はいくらぐらいですか」と質問しました。
細長い会場で、前に座っていた人は地声で「トータルで1万2000円」と聞こえたそうです。
ところが後ろの席ではマイクで聞こえたのが「2000円」。

私だけでなく何人かそのように聞いています。
しかし、その時、おかしいと思い、念を押して聞かなかった私が悪い。
間違えた情報を発信してしまいました。
心からお詫び致します。

そこで、改めて真空断熱材について価格面から検討してみました。
本来だと、プロトプランを作成し、そのプランからランバーの材績や断熱材のu数を一本拾いして、正確なQ値を出して熱負荷計算を木軸とツーバィフォーの両方で検討すべきです。
しかし、プランによってかなり数値が違ってきます。また、木軸の場合は各社によって仕様がまちまち。とても1つに絞ることが出来ません。
そこで、おおまかに延べ床面積が40坪から45坪で、外壁の断熱面積を200uと仮定。そして工法はツーバィフォーとしました。

そして、東京地域を前提に6つのタイプの外壁材と断熱気密工事費をおおまかに比較してみました。概略を知るための、どこまでもラフな概算。
正確な比較は当然のことながら各社で行って下さい。

(1) 外壁が204で高性能グラスウール90mmを充填。Q値は2.0W程度。
(2) 外壁が206で高性能グラスウール140mmを充填。Q値は1.5W程度。
(3) 外壁が208で高性能グラスウール184mmを充填。Q値は1.0W程度。
(4) 外壁が206で高性能グラスウール140mmとKMブラケットを使用して60mmのロックウールの外断熱。Q値は0.8W程度。
(5) 外壁が206で高性能グラスウール140mmとKMブラケットを使用して外断熱として15mmの真空断熱材と60mmのロックウール。真空断熱材価格を7000円/uとする。
Q値は0.6W程度。
(6) 上の(5)と仕様は同一で、真空断熱材価格を4000円/uと仮定する。Q値0.6W程度。

さて、(1)に対して、外壁材と断熱気密材でどれだけ価格がアップするかという概算。
(2)が+70万円
(3)が+130万円
(4)が+150万円
(5)が+330万円
(6)が+230万円

しかし、想定したQ値を達成するためにはサッシや換気設備を変えなければなりません。したがって、上記の数字に最低下記の数字が加算されます。
そしてそれぞれの年間冷暖房費をおおまかに想定してみました。
(1)           年間冷暖房費 15万円
(2)70+80=150万円          10万円
(3)130+100=230万円          6万円
(4)150+120=270万円          4万円
(5)330+120=450万円          2万円
(6)230+120=350万円          2万円

この条件で、それぞれ何年間で元がとれるかを利息抜きで計算してみたのが下記。
10年後  20年後 30年後  40年後 50年後
(1)150   300   450   600   750      
(2)250   350   450   550   650          
(3)290   350   410   470   510        
(4)310   350   390   430   470        
(5)470   490   510   530   550        
(6)370   390   410   430   450        

この試算が正しいという気持ちはサラサラありません。
その間の快適さとか病気に罹る率が低いなどというメリットを度外視します。
省エネだけで見るならば、元をとるのに東京では30年近くかかるということ。
燃費が少ないということは、それだけCO2の削減に貢献しているということではありますが、カネ勘定だけでみるならば(2)(3)(4)(6)とも30年近くかかります。そして(5)の場合は40年近くにもなります。

ということは、暖房費の大きな北海道と異なり、東京では真空断熱材が4000円/m2になるのを待つか、それとも(4)の140mmの充填断熱の外側にKMブラケットで60mmのロックウールを施工した方が長期的に見てベターだということになります。
真空断熱材が7000円/m2の間は、「真空断熱材 万歳」とはゆかないようです。

さて、このように償却に年数がかかるということであれば、消費者としては当然その性能を長期保証をして欲しいということになります。
メーカーが50年とか100年保証を義務づけられるとなると、過剰装備が必要になってきます。
「完全に保証せよということであれば、ゲッターを各パネルにもう一つずつ入れれば50年でも200年でも保証は可能です。しかしそうすれば、1棟で60万円くらいコストが高くなる。それでもいいのですか…」と問題を投げ返えされます。
7000円/uが4000円/uになるどころか1万円になってしまいます。

ここらは、どこかで割り切らないと永久に前へ進めません。
選択を迫られているということ。

なお、真空断熱材の設計基準、例えば平方メートル当たりの平均熱伝導率を何Wと見るべきか。また、防湿層の耐用年数の検査法に基づいてアルミ層付きラミネートフィルムを検査して、フィルムそのものの耐久性などを来月の中旬頃に「道立北方建築総合研究所」のホームページに発表するそうです。
それが、とりあえずの貴重な参考資料になるものと期待されます。

http://www.hri.pref.hokkaido.jp/

最後に再度お断りいたします。
私の試算はあくまでもラフなもので、信頼性に欠けています。
posted by unohideo at 06:13| Comment(1) | TrackBack(1) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鵜野日出男の今週の本音
大変楽しみに拝見しております。

さて、今回のレポートで指摘された価格と性能ですが、私の情報では、来月よりu3000円でエアロゲルをコアに使用した真空断熱材が発売されます。
その性能は、国立大学にて試験した結果.0012w/m.kで最高性能は0.0005w/m.kです。
Posted by 徳田善行 at 2010年01月23日 14:30
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