2007年03月20日

イノベーションの3大目的が、より明確に!

1ヶ月前に真空断熱材の話を聞いた時。
「なんで壁だけを、そこまで過剰性能にしなければならないのか?」という疑問というか、不満を持ちました。
省エネというのは全体のバランス。

またまた同じことを書きます。
R-2000住宅の仕様で、どこから熱が逃げているかを計算したら、問題の所在がよくわかりました。
東京の場合、つまりW地域での45坪の総2階住宅の冬期熱損失比率は以下でした。

屋根・天井・床    1.0%
外壁         19.1%
開口部       47.0%
換気         32.9%

なんと、開口部と換気から80%もの熱が損失していたのです。
その後、サッシはLow-Eとかアルゴンガス入りが出現してくれて、かなり改良はされてきています。
ところが、日本サッシ協会では、アルミ業者の発言力が強いのでしょう。
ウッドサッシも、
PVCサッシも、
アルミとプラスチックのハイブリッドサッシも、その表示されている性能はいずれも横並びの2.33W。

これは、どこまでも作る側の意向だけを反映した表示。
使う消費者にとっては、まことに不可解で不親切な表示。
アルプラもウッドサッシも同じ2.33Wであるならば、アルプラでよいという気がするではないですか…。
それで選んだら、サッシ枠に結露が激しかった。
あとで泣かされた消費者の恨み節を、何度となく聞いています。

つまり、サッシメーカーというのは、口では「お客様第一主義」とかなんとか言っているけど、基本的には「メーカー第一主義」の頭の古い業界に成り下がっています。
企業体質は、3ヶ月前までの「不二家」と同じといわれてもしょうがない。
そして、CO2削減のために、率先して性能の良いサッシを開発しようという意欲が極めて乏しい。
「今、儲かっているのに、諸外国から輸入されているサッシは限られているのに、大手住宅メーカーから性能の高いサッシの開発要請がないのに、なぜ先行投資をしなければならないのか!」

そんな逃げ口実が古い社内に充満し、開発をサボっています。
日本板硝子が真空ガラスを開発し、日本の消費者は世界一高性能な開口部を入手出来るチャンスに恵まれてようとしています。
それなのに、頭の古い老人が支配しているサッシ業界のせいで、
消費者は優れた省エネサッシ、地球に優しいサッシを手にすることが出来ずにいます。
大手住宅メーカーともども、CO2削減の抵抗勢力。守旧派の集合体。
ここに、第1のイノベーションが必要です。
必ずや近いうちにイノベーターが現れるでしょう。

第2のイノベーションは、もちろん換気。
絶対条件は、熱回収効率が90%以上であること。

ヨーロッパでは顕熱交換機がどこまでもメイン。
というのは、ヨーロッパでは冬期は毎日が雨か曇天で湿度が極めて高い。
このため、冬期にダニとカビという大問題が発生してきています。室内の湿度を少なくするには、顕熱交換機で湿度を吐き捨てることが肝要。

日本でもセントラル空調換気の場合は、排気をダーディゾーンからとするため、今までは顕熱交換機であるべきでした。
しかし、日本で開発されて光触媒の技術。これをもってすれば、全熱交換機の採用が可能になってきていると考えます。
つまり、日本で、世界に先駈けて熱回収率90%以上の光触媒機能付の全熱交換機の開発が急務。
エンタルピ効率も限りなく90%に近い性能値を持った熱交が……。
この面でも、近いうちにイノベーターが誕生するでしょう。

そして、第3のイノベーターが真空断熱材。
最初に書きましたように、熱損失の中に占める外壁の比率は19.1%。
開口部、換気についで大きな比率を占めています。

しかし、私は外壁のK値は、東京の場合0.20Wから0.22Wで十分と考えていました。なぜなら、0.2Wまでなら、206材の外壁の外側に外断熱を付加してやればなんとかクリアー出来る。
外壁の厚さは206材までにとどめておきたい。
たしかに208材とか210材を用いれば、性能値を0.16Wまでに高めることは簡単。
しかし、木材資源のことを考えると、もう輸入の210材に依存する時代ではない。
国産材で204材と206材を開発してゆく時代がすぐそこまできている。
とすれば、0.2Wをマキシマムとするしかない。

また、次世代省エネ基準でW地域の外壁のK値が0.45Wと決められたのは、90ミリの断熱材しか壁の中に入らないという単純な理由。
そうしたランバーとか断熱材の制約の中で、坂本雄三先生は発想していたし、私共も発想してきました。

ところが、真空断熱材の開発とその応用技術開発は、私共の常識を根本から覆してくれたのです。
仮に15ミリの真空断熱材を用い、その外側に40ミリのロックウールを施工したとします。壁内の充填断熱材を計算に入れなくて、外断熱だけでなんと0.11Wという信じられない性能値が得られるのです。
140ミリの充填断熱材を入れると0.08W。
なんと次世代省エネ基準に比べると約6倍、R-2000住宅に比べても約3倍という驚くべき性能。

そして、特筆しなければならないことは、壁を必要以上に厚くする必要がなく、しかもコストは驚くほど高くはないという事実。
これは、凄いイノベーション。

みなさん。
外壁の性能値(K値)は、次世代省エネ基準の0.45Wという地球を虐める基準ではなく、またつい最近まで私が提唱していた0.2Wという甘い基準でもなく、思い切って0.11Wを狙うことにしましょう。

真空断熱材、万歳。
posted by unohideo at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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