2007年03月11日

ハウス・オブ・ザ・イヤー  トップランナー方式の性能表示(下)

次は、新しい「認証制度」

「品確法」では「温熱環境」として4ランクで評価しています。
 4等級  次世代省エネ基準をクリアーしている
 3等級  新省エネ基準をクリアーしている
 2等級  旧省エネ基準をクリアーしている
 1等級  その他

これを見た時、私は「品確法とは付き合うのは止めよう」と決めました。
私共の供給していたR-2000住宅は5等級。
最近はQ-1住宅が登場しています。これは6等級。
パッシブハウスにいたっては間違いなく7等級。
それなのに、品確法は4等級で打ち切り。
結果として技術の進歩を抑圧している……時代錯誤の危険な法体系。
したがって品確法は無視することが消費者のためになります。品確法は消費者蔑視法。

最近、ルームエアコンでCOPが6を超えるものが続々と開発されてきています。
COPが6ということは、1の電力で6倍の電力に匹敵する性能を持っているということ。
つまり1の電力をテコにして、ヒートポンプで空気中から6倍のエネルギーを汲み上げているのです。まさにCO2削減の鑑。
最近のエアコンは、10年前に買ったエアコンとは異次元のもの。
消費電力は半分以下。
したがって、買い換えた方が数年間で元がとれます。

ルームエアコンがなぜこのように急速に技術の進歩を見せたのか。
それは経済産業省がとった「トップランナー方式」にあります。
各社で技術を競わせ「優れた商品が生まれればその性能を表示してよい」としたのです。
今までは「とりあえずCOP3の商品開発を当面の目標にする。この目標に到達したものを推奨品とする」という方式でした。
それが「COPは5でも6でも良い。良い性能が出たらそれを表示して良い」とした。
このため各社は英知を絞り、あっという間に世界一の性能アップに繋げたのです。
これを「トップランナー方式」といいます。

COPに関しては、技術的には限界がないと言われています。
今後ともすぐれた性能の出現が期待されています。
しかし一方で、COP偏重の問題点も指摘されています。
消費者がCOPの数値だけにとらわれて、排熱ドライなどの除湿機能を無視したり、小型のルームエアコンだけに焦点が集まり、より効率的なセントラル空調換気システムを等外視する傾向が見られることなど。

住宅の性能面で求められているのは、このトップランナー方式。
次世代省エネで打ち止めということであれば、日本の住宅でのCO2削減運動は頓挫します。国土交通省は経済産業省のツメの垢を煎じて飲むべし。
これは、非常に重要なポイント。
そして、涙が出るほど嬉しいのは、新しい認証制度ではこのトップランナー方式を採用してくれそうなこと。

新しい住宅の「年間燃費は何万円か」。
これこそが消費者の求めている省エネの性能表示。
Q値とかK値ではありません。
暖房費だけでよい北ヨーロッパでは平方メートル当たり何リッターの灯油を消費する住宅かを表示しています。
何回も書きますが、つい数年前までは3リッターハウスが合い言葉。
120u×3g=360g。 g当たり70円とすると年間のセントラル暖房費が25,200円。
それが、最近では北ヨーロッパ共通の目標として15kWh/uの家になってきています。
これを灯油に換算すると1.5g/u。
10月から5月まで暖房の欠かせないあの寒い国々で年間暖房費が12,600円。

つまり、日本でも年間冷暖房費+給湯費の合計が〇〇kWh/uで表示されることが理想。
少ないkWh/uで済む家をつくることこそが住宅業者の仕事。
しかし、システムや機器の種類、あるいは使用する電力が夜間電力であるか否かによって電気代が違ってきます。kWh/uで表示しても、現在のところ年間〇〇円で済む住宅だと断言できないのです。
シミュレーションは多用されていますが、実測のデーターがあまりにも少なすぎます。
暖房だけを考えればよい北ヨーロッパと、暖房+冷房+換気+除湿+給湯をまとめて考えなければならない日本とでは計算ソフトづくりの難しさは比較になりません。

そこで、とりあえず段階的に採用されようとしているのが「次世代省エネ基準との性能比較方式」
つまり、次世代基準の省エネ+給湯費を100とする。
これに対してA社のB商品は140の性能を持っている。
C社のD商品は175の性能値があり、E社の全製品が200である。という具合に。
私は段階的にこの方式を採用するのは、素晴らしいことだと思います。
そして数年以内に「年間冷暖房費+給湯費の合計が5万円です」と断言出来るようにしたいもの…。これは悲願。

この計算ソフトを開発し、認証するのがスマートハウジング委員会(坂本雄三委員長)です。これも後ろに「イン・エレクトリック」が付いています。
地場ビルダーにとって最大のメリットがあるのがこのスマートハウジング。
今まではR-2000住宅とか、Q-1住宅とか、限りなく無暖房に近い住宅などと言ってきました。しかし、制度的に保証されていたのはR-2000住宅だけ。後は業者の方で勝手に呼称してきただけ。業者のマスターベーションにすぎなかった。
したがって、消費者は本気になって付いてきてくれなかった。

ところが、スマートハウジングで認証され、そのロゴを使って良いということになると社会的に大きな信用が得られます。
しかも、認証料は20万円以下のはず。
となると、ビルダーからの応募が殺到すると考えられます。
最低1棟建てれば、その資料をもとに認証が得られ、商売がやりやすくなる。
となると、中には実用性のない高い性能の認証を取って、それを看板にしてロゴ以外の安いものを売る会社が出現してくる怖れがあります
現に「無暖房」という看板で、安物を売っているビルダーが存在しています。
いわゆる「羊頭狗肉」。これは絶対にダメ。
こんな輩が混じると、折角のスマートハウジング制度そのものがおかしくなる。

次世代省エネ基準に比べると最低でも150以上の性能を持っていて、価格もこなれていて、やたらな壁厚でなく、施工も簡単で、これこそ自社の商品として半分以上をそれに置き換えて売ってゆける自信のある商品を開発する。それを認証してもらうのが王道。

大手住宅メーカーは百貨店。これに対して地場ビルダーは専門店。
1つの商品に特化している業者は専門店として信頼出来ます。
何種類もの工法を売っているビルダーは、私は経験的に信用していません。営業が威張っている会社で信頼性に欠け、スマートハウジングの制度には馴染め難いビルダー。
せいぜい扱っても2種類以内でないと専門性がないという烙印が…。
小規模で何でもやるのはリフォーム屋さん。ビルダーではありません。

●●本制度はジェントルマンシップに則った制度です●●
これこそがハウス・オブ・ザ・イヤーのポリシーですと、伊藤滋委員長は高らかに謳っています。
ジェントルマンシップを持った会社であるかどうか。
この基準で、厳しくビルダーが選別されるのだろうと推測しております。


最初にお断りしたように、まだ細部が確定していません。
ここに記したのは、あくまでも手元にある資料を読んでの個人的な憶測であり、一見解にすぎません。思い違いや勘違いが多々あると思います。それを承知の上で参考にされ、着実に地場で売れる新商品の開発準備を進められることを期待いたします。
posted by unohideo at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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