2008年12月26日

2008年下半期 読んで面白かった本のベスト10


恒例の面白本のベスト10。
上半期のノミネートは120冊にも及んだが、下半期は2/3の86冊。
ちょっと少ないようだが、建築関係と小説で久しぶりに面白い本に沢山出会うことが出来た。しかし、住宅関係は相変わらずの凶作。
年末年始に読む本を買おうと考えている方の参考になればと、早めに公開します。

【環境・農業・食品・医療】 20冊
・最強ウイルス                 NHKプロジェクト    NHK出版
・食がわかれば世界経済がわかる         榊原英資     文春文庫
・ips細胞ができた!             山中伸彌・畑中正一    集英社
・床屋も間違える驚異の毛髪術           黒木 要     日本書院
・「長寿食」世界体験記               家森幸男     ちくま文庫
・アフリカに緑の革命を!             大高未貴      徳間書店
・日本型バイオエタノール革命           山家公雄      日経新聞
・食の安全はどこまで信用できるか        河岸宏和    アスキー新書
・癒しの森 ひかりあふれる尾久島         田口ランディ  ダイヤモンド
・中国汚染                      相川 泰   ソフトバンク
・偽善エコロジー                  武田邦彦     幻冬舎新書
・花粉症は環境問題である             奥野修司      文春新書
・食べることを、やめました             森美智代     マキノ出版
・奇跡のリンゴ                    石川拓治      幻冬舎
・いのちを生む                    大野明子他     学 研
・水の未来                    フレッド・ピアス    日経BP
・自立農力                     尾崎 零    家の光協会
・はたけのある生活                 伊藤光歩     朝日出版
・里山ビジネス                   玉村豊男    集英社新書
・飢餓国家ニッポン                 柴田明夫   角川SSC新書

【技術・科学・教育】  11冊
・雷に魅せられて                 河崎善一郎     化学同人
・葉っぱのふしぎ                 田中 修 サイエンスアイ新書
・大学院生物語                  伊良林正哉      文芸社
・Suicaが世界を変える               椎橋章夫     東京新聞
・5万年前                  ニコラス・ウェイド イーストプレス
・宇宙から見た地球             ニコラス・チータム    河出書房
・海から見た地球温暖化          JAMSTEC編集委員会     光文社
・動物の赤ちゃんはなぜかわいい           増井光子      集英社
・都市型集中豪雨はなぜ起こる!          三上岳彦    技術評論社
・タンパク質の一生                  永田和宏     岩波新書
・眠れなくなる宇宙のはなし             佐藤勝彦      宝島社

【経営・経済】  20冊
・イオンが仕掛ける流通大再編!          鈴木孝之   日本実業出版
・花失せては面白からず               城山三郎     角川書店
・中国が予測する“北朝鮮崩壊の日”     リン・イエ 富坂聰   文春新書
・夢のサムライ 村橋久成             西村英樹  北海道出版企画
・経営の未来                  ゲィリー・ハメル    日経新聞
・エネルギー危機からの脱出             枝廣淳子   ソフトバンク
・公務員クビ!論                   中野雅至     朝日新書
・ソニーを創った男 井深大              小林峻一      ワック
・官僚国家の崩壊                   中川秀直      講談社
・怒濤のごとく 菊池寛実伝             早乙女貢      原書房
・全国から人が集まる不思議な自動車教習所    小河二郎       PHP
・風に吹かれて豆腐屋ジョニー           伊藤信吾      講談社
・さらば財務省!                  高橋洋一      講談社
・世界は仕事で満ちている              降旗 学      日経BP
・中国の大乱を乗り切る日本の針路       長谷川慶太郎  ベストセラー
・政治と秋刀魚              ジェラルド・カーティス     日経BP
・奈良の小会社が表参道ヒルズに店を出す      中川 淳      日経BP
・この街は、なぜ元気なのか?            桐山秀樹    かんき出版
・小池百合子の華麗な挑戦              大下英治     河出書房
・なぜユニクロだけが売れるのか          川嶋幸太郎     ぱる出版

【小説】  15冊
・カゼヲキル 助走編・激走編・疾走編       増田明美      講談社
・秋瑾 火焔の女                  山崎厚子     河出書房
・小説 防衛省                   大下英治     徳間書房
・『十五少年漂流記』への旅             椎名 誠     新潮選書
・不祥事                        池井戸潤   実業の日本
・くたばれ成果主義                江波戸哲夫     飛鳥新社
・下北サンデーズ                  石田衣良      幻冬舎
・ポジ スパイラル                 服部真澄      光文社
・本当に生きた日                  城山三郎      新潮社
・スタンド・バイ・ミー                小路幸也      集英社
・茨の木                       さだまさし     幻冬舎
・プラチナタウン                    楡 周平      詳伝社
・マリアの選挙                   三輪太郎     徳間書店
・蒼翼の獅子たち                 志茂田景樹     河出書房  

【ノンフェクション・旅行】 11冊
・トスカーナのスケッチ帳              堀 文子       JTB
・マイ・ドリーム             バラク・オバマ自伝   ダイヤモンド
・エブリワン氏の「裁判員日記」           一橋総研       PHP
・K2苦難の道程                  出利葉義次    東海大出版
・海中奇面組                    中村征夫      ベスト社
・隅田川のエジソン                 坂口泰平     青山出版
・体の中の美術館                  布施英利     筑摩書店
・尾久島で暮らす                  菊池淑廣    山と渓谷社
・アフリカ・レポート                松本仁一     岩波新書
・仕事道楽                     鈴木敏夫     岩波新書
・少年院のかたち                  毛利甚平    現代人文社

【建築・住宅】 10冊
・スウェーデンの家具職人になる!         須藤 生     早川書房
・写真な建築                     増田彰久      白揚社
・東京建築50の謎                  鈴木伸子  中公新書ラクレ
・磯崎新の「都庁」                 平松 剛     文芸春秋
・建築史的モンダイ                 藤森照信    ちくま新書
・建築家は住宅で何を考えているのか      東大デザイン研    PHP新書
・伝統技法で茅葺き小屋を建ててみた       原田紀子  農山漁村文化協
・なぜ起こる! 巨大地震のメカニズム    木村政昭監修    技術評論社
・のたうつ者                    挾土秀平    毎日新聞社
・自然な建築                    隈 研吾     岩波新書

さて、この86冊の中から選んだベスト10。
写真があった方がいいとの意見でむりやり揃えたが、写りが悪いのはご容赦あれ。

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◆10位  経済・経営の分野から、長年にわたって日本の経済と政治に携わってきたカーティスの「政治と秋刀魚」と、久しぶりに納得出来る長谷川節を聞かせてくれた長谷川慶太郎の「中国の大乱を乗り切る日本の針路」をあげたい。

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◆9位  今回は農の分野でそれほど目立つものはなかった。その中にあって石川拓治の「奇跡のリンゴ」は読ませる。NHKのテレビで取り上げたあとの取材で、二番煎にすぎないのではないかと心配したが、テレビ報道の数倍も面白かった。

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◆8位  科学・技術の分野ではipsなどそれなりに話題作があったが、三上岳彦の「都市型集中豪雨はなぜ起こる!」が読ませた。つい温暖化に絡んで考え勝ちだが、それ以外の要素をあげているのに納得。

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◆7位  武田邦彦氏の環境全体に関する議論には疑問点が多すぎる。しかし、この著はリサイクルと称して官僚の天下り先を用意しただけの現実を厳しく追及している。また、ダイオキシンが無害だったことを報道しないテレビ局も厳しく諫めている。

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◆6位  建物には2種類しかない。1つは神や仏のための建築で、日本建築はほとんどがこれ。もう1つは人間のための建築。西洋館はいずれも人間のための建築で、記録しておきたい1500物件のうち1200物件は撮影したという増田彰久の「写真な建築」。

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◆5位  経済・経営の分野の高橋洋一の「さらば財務省!」と中川秀直の「官僚国家の崩壊」は、同じ視点で、内側から日本の官僚制度にメスをいれたもの。「国よりも省の方が大事」とする者が出世する現行制度の改革の必要性が、嫌というほど分かる。

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◆4位  今回は面白い小説が多かった。企業小説、あるいは社会派小説といえるものでは楡周平の「プラチナタウン」、三輪太郎の「マリアの選挙」、服部真澄の「ポジ スパイラル」がそれぞれ読ませた。これとは別に、増田明美の女性ランナーを描いた3部作「カゼヲキル」は感覚というか鮮度がとてもいい。4点まとめて5位。

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◆3位  平松剛の「磯崎新の『都庁』・戦後日本最大のコンペ」は小説を読むような面白さ。丹下健三の新宿西口ツィンタワーの都庁は、そのメンテナンス費が莫大にかかり、バブル時代の象徴的な建築物だというのが現在では共通の認識。しかし、コンペでは磯崎新の斬新なアイディアは切り捨てられた。磯崎案が入選していたならば…とつくづく考えさせてくれる作品。この種の作品が、これからも出現することを期待したい。

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◆2位  
◆1位  フレッド・ピアスの「水の未来」と隈研吾の「自然な建築」の2つのうち、どれを1位にするかで迷った。
「水の未来」は、数年以上の時間をかけて世界各国へ足を運んでいる。そして、それぞれの土地の歴史を詳しく丹念に調べ、時には研究者と一緒になって研究活動に加わっての執筆。そこいらにあるエコ関係の本に見られるような、ネット上とか机上の空理空論とは全く異なる。まさしく足で書いた労作。
一方「自然な建築」は、これまた空理空論ではない。自分で自然素材である木、竹、紙、土、石、水を使って新しい建築にトライした記録集。単なる思いつきではなく、テーマを温め、いろんな職人などの知恵や経験を借りて、今までになかった空間を見事に孵化させている。そして「負ける建築」というポリシーがなんとも嬉しい。安藤忠雄等で建築家のいやらしさを見せつけられてきただけにすがすがしく、嬉しくなってくる。
というわけで、2作品を同時1位とした。つまり、最低この2冊は読むべしということ。
posted by unohideo at 08:45| Comment(0) | TrackBack(4) | 半年間の面白本ベスト10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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