2008年12月10日

換気+ 工場見学記   ドイツパッシブハウス調査(12)



ドイツの換気システムのメーカーとしては日本ではスティーベル社があまりにも有名。
日本の営業所長とは何回かの面識がある。
だとしたら、その工場を案内して貰えばいいじゃないかということになるが、もっとほかに安くていい製品を作っている工場があるかもしれない。
あったら見たいという助平根性。
今にして考えると、パッシブハウス研究所に展示されていたPAUL社あたりにしておけば良かったと思う。そうすれば、商売に結びつけられたかもしれない。

パッシブハウス・マガジンという月刊の薄い冊子にいつも2ページにわたって広告を掲載しているドレクセル&ヴァイス社を、バウマンさんが推薦してくれた。
ドイツ語が読めないので内容がよくわからない。ただ、なんとなく良さそうなのでオーストリアのヴォルフルト市の本社を訪問した。

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同社の創業は50年前。
10年前の1998年からパッシブハウス研究所のファィスト博士と共同で研究を始めた。博士の信頼はかなり厚いようだ。
そして、2000年からパッシブハウス専用の「コンパクト・ユニットシステム」を開発して、オーストリアの71%、ドイツの30%、スイスの50%のマーケットシェアを持っていると、エンジニアのピーターさんがこともなげに豪語した。

ところが、こちとらは「換気メーカーだ」という先入観がある。
換気でそんな圧倒的なシェアを持てるわけがない。
このエンジニアさんは誠実そうだけど、大ホラ吹きではないかと考えてしまった。
そうなると、ミーテングの内容にまであやしく感じる。
説明していることの意味がよくわからない。
なんで換気装置にヒートポンプが出てくるのか?

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しばらくして、やっとこのメーカーは単なる換気屋さんではないということに気が付いた。
コンパクト・ユニットというのは、熱回収型換気とヒートポンプによる暖房と給湯の3つのシステムを兼ね備えた1人3役の新商品だった。
換気は、その一部分にすぎない。
そのことが分かるまで、1時間近くも要したというおそまつ。
したがって、途中で変な質問をしてしまった。
「バイパス機能は持っていないの?」と。
いきなり「ナンセンス」と言われた。
単に換気設備ならバイパス機能が必要だが、ヒートポンプで暖房や給湯までをやっているのにバイパスを持つというのは気密性を落とすことになるだけで、まったく意味がないというわけ。
言われてみると当然。

P1000643.JPG

今までのパッシブハウスは、30メートルのアースチューブを通って外気が導入される。それを上の写真の左の青い熱回収ユニットでヒートリカバリーして右上部のヒートポンプに送られ、暖房用と給湯用に使われる。
ともかくコンパクト。
熱交換部分は幅、奥行きとも600mmで、高さが700mm。
ヒートポンプと貯湯部分は幅、奥行きとも600mmで、高さが2053mm。
これで3役をこなすというから、信じられない。

ヒートポンプだけで足りない時は、買電を使う。
場合によっては、太陽光発電の電気を使うシステムも構築出来る。
もちろん、太陽熱温水器との接続も可能。
また、暖房の熱源が不足する場合は、ペレットを燃すシステムを組み合わせることもある。一定の規格品を販売するという方式ではないらしい。

サイズとしてはL,M,Sと3種類あり、Lは180〜200uの住宅用で価格は18,000から35,000ユーロとのこと。Mは160u前後の住宅用で、Sは70uのアパート用。
もっと細かく聞こうと思ったが、貯湯が200リッターだけしか用意していないと聞いて、質問する意欲が急速に萎えた。
ヨーロッパ人は、シャワーだけで満足している。
日本人でシャワーだけで良いというのは私ぐらいのもの。
どうしてもお湯を張って肩までつからないと疲れが抜けない。したがって、200リッターの貯湯槽だけだと日本では絶対に売れない。 
というわけで、1人3役という面白い商品だということが分かったが、換気メーカーの人間ではないのでこれ以上話を聞いても意味がない。

ただ、参考までに記すと、同社は100%注文生産方式をとっている。
5人のエンジニアが常に設計事務所とコンタクトをとり、その都度、もっとも適したシステムを構築し、提案してゆく。
最近ではアースチューブ方式が少なくなってきているので、それにふさわしいシステムの提案が増えているらしい。

考えてみれば、こんな小回りの効くメーカーが日本にあれば大変に便利。
内地ではエコキュートがあるので給湯には困っていないが、北海道などでは貯湯槽さえ大きくすれば、かなり参考になるシステムと見受けた。
いや、内地でも太陽光や太陽熱温水器とドッキングさせれば、エコキュート以上の省エネ化が図れるかもしれない。
しかしそれは、われわれビルダーの仕事ではない。

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レクチャーを受けた後は工場見学。
当然のことながら撮影は禁止。
上の写真はカタログから抜いたもの。それにしても肝心なところがたったの1ヶ所もカタログに掲載されていない。
これほどまで内密にする必要があるのだろうか?
ということで、工場は小ぎれいで面白かったが、写真が撮れなかったのであとになって想い出そうとしても印象に残っているシーンが全くない。

そして、工場の中でも熱回収換気専用機と勘違いして「熱回収能力は何パーセントですか」と質問してしまった。
そして、その答にとまどわせられた。
「熱回収は100%でも130%にでもすることが出来る。しかし、熱回収するということはフィラメントの間隔を狭くすることであり、騒音が問題になってくる。騒音を30〜33デシベルに保つには、92%程度が最適である」と。

熱回収は100%が限度だと考えていたのに130%と言われて、わけがわからなくなってきた。
換気だけの熱回収だったら、室温20℃の熱を20℃回収すれば終わりかもしれない。しかしヒートポンプだとマイナス10℃までも熱を回収出来る。
そのことを言っているのか。あるいは別のことを言ったのか?

帰国していろんな人に聞いてみたが、未だに納得出来る説明に出会えないでいる。
posted by unohideo at 06:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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